年末調整と確定申告の違い|どちらをすればいい?
会社員にとって、税金の精算といえば「年末調整」が身近です。一方で「確定申告」という言葉も耳にします。この2つはどう違い、自分はどちらをすればよいのでしょうか。この記事では、年末調整と確定申告の違いをやさしく整理します。
毎月の天引きは「概算」だから精算が必要
そもそも、なぜ精算が必要なのでしょうか。毎月の給与から天引きされる所得税は、あくまで概算額です。扶養家族の人数などをもとにした表にあてはめて計算されているため、年間の正確な税額とは一致しません。
また、生命保険料控除や扶養の状況の変化など、年の途中では反映されていない控除もあります。そこで、1年が終わったところで正しい税額を計算し直し、過不足を精算する必要があるのです。
年末調整|会社が代わりに精算してくれる
年末調整は、会社が従業員に代わって所得税の精算を行う手続きです。毎年11月から12月ごろ、勤務先から保険料控除や扶養に関する書類の提出を求められた経験がある方も多いでしょう。
会社はその情報をもとに、1年間の正しい所得税額を計算します。天引きしすぎていた場合は差額が還付され(戻ってきて)、不足していた場合は追加で徴収されます。多くの会社員は、この年末調整だけで税金の精算が完結します。
ただし、年末調整で対応できる控除には限りがあります。たとえば医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)などは、年末調整では精算できません。
確定申告|自分で申告する手続き
確定申告は、自分で1年間の所得と税額を計算し、税務署に申告する手続きです。通常、翌年の2月中旬から3月中旬にかけて行います。
会社員でも、次のような場合には確定申告が必要、または申告した方がよいことがあります。
ひとつ目は、医療費が多くかかった年に医療費控除を受けたい場合です。ふたつ目は、副業などで一定額以上の所得があった場合です。3つ目は、ふるさと納税でワンストップ特例を利用しなかった場合です。ふるさと納税の仕組みは、別記事『ふるさと納税で住民税が安くなる仕組み』で解説しています。このほか、住宅ローン控除を初めて受ける年なども確定申告が必要です。
どちらをすればよいか
基本的な考え方として、会社員で特別な事情がなければ年末調整だけで完結します。一方で、年末調整では精算できない控除を受けたい場合や、副業の所得がある場合などは、確定申告を行うことになります。
なお、年末調整を受けたうえで、追加の控除のために確定申告をすることも可能です。たとえば年末調整は会社で済ませ、医療費控除だけ確定申告で追加する、といった形です。
自分に確定申告が必要かどうかは、収入の種類や金額、受けたい控除によって変わります。判断に迷う場合は、勤務先や税務署、税理士などに確認することをおすすめします。最終的な税額は、これらの手続きを経て確定します。
まとめ
- 毎月の天引きは概算のため、年末に精算が必要
- 年末調整は会社が代わりに所得税を精算してくれる手続き。多くの会社員はこれで完結する
- 確定申告は自分で申告する手続き。医療費控除・副業所得・ふるさと納税のワンストップ未利用時などで必要
- 年末調整を受けたうえで、追加の控除のために確定申告をすることもできる
- 必要かどうか迷う場合は税務署などで確認を
よくある質問
- Q. 年末調整で還付金が戻るのはなぜですか?
- A. 毎月の天引き額が、実際の年間税額より多めだった場合に、その差額が戻ってきます。控除の反映により税額が下がるケースが多いためです。
- Q. 確定申告をしないとどうなりますか?
- A. 申告が必要なのにしないと、追徴課税などのペナルティが生じることがあります。一方、還付目的の申告はしなくても罰則はありませんが、受け取れるはずの還付を逃すことになります。
- Q. 副業がいくらから確定申告が必要ですか?
- A. 給与以外の所得が一定額を超えると申告が必要とされています。基準額は状況により異なるため、税務署でご確認ください。