基礎控除・扶養控除・配偶者控除|所得控除の基本
所得税や住民税を計算するとき、課税所得を減らしてくれるのが「所得控除」です。控除が多いほど税金は少なくなり、結果として手取りに影響します。なかでも代表的なのが、基礎控除・扶養控除・配偶者控除です。この記事では、これら3つの控除の基本をやさしく整理します。
基礎控除|誰もが受けられる控除
基礎控除は、一定の所得以下であれば、原則としてすべての人が受けられる控除です。所得税の基礎控除は48万円、住民税の基礎控除は43万円が基本となっています。所得税と住民税で金額が異なる点に注意してください。
ただし、基礎控除は所得が一定額を超えると段階的に減っていき(逓減)、さらに高くなるとなくなる仕組みになっています。一般的な給与所得者であれば満額の基礎控除を受けられることが多いですが、高所得の場合は控除額が小さくなることがあります。
扶養控除|養っている家族がいる場合
扶養控除は、収入の少ない親族を養っている場合に受けられる控除です。対象となるのは、生計を同じくし、所得が一定額以下の扶養親族です。
控除額は扶養する家族の年齢などによって異なります。一般の扶養親族は所得税で38万円、住民税で33万円です。また、19歳から22歳の「特定扶養親族」は、大学進学などで費用がかかる時期にあたるため、所得税で63万円とより大きな控除が受けられます。
注意したいのは、16歳未満の子どもは扶養控除の対象外という点です。これは児童手当の制度との兼ね合いによるもので、子どもがいれば必ず扶養控除が受けられるわけではありません。
配偶者控除・配偶者特別控除|年収の壁
配偶者がいる場合に関係するのが、配偶者控除と配偶者特別控除です。
配偶者控除は、配偶者の所得が一定額以下のときに受けられます。配偶者の所得がそれを超えても、一定の範囲内であれば配偶者特別控除という形で段階的に控除が受けられる仕組みになっています。これにより、配偶者の収入が少し増えただけで控除が一気にゼロになる、という事態を避けています。
これらの控除は、本人(控除を受ける側)の所得と配偶者の所得の両方によって金額が変わります。本人の所得が高すぎると配偶者控除自体が受けられなくなる場合もあります。
いわゆる「年収の壁」は、この配偶者控除や社会保険の扶養の境目を指して語られることが多い言葉です。働き方を考えるうえでよく話題になりますが、壁の金額や影響は制度改正で変わることがあるため、最新の情報を確認することが大切です。
控除額は変わることがある
ここで挙げた控除額は、税制改正によって見直されることがあります。また、所得税と住民税で金額が違ったり、本人や家族の所得状況によって控除が変動したりするため、実際にいくら控除されるかは個々の状況によります。あくまで概算の目安として捉え、正確な金額は勤務先の年末調整や税務署でご確認ください。これらの控除を差し引いた後の課税所得に税率がかかる流れは、別記事『所得税の仕組み』で解説しています。
まとめ
- 基礎控除は原則誰もが受けられる。所得税48万円・住民税43万円が基本で、高所得では逓減する
- 扶養控除は一般38万円(住民税33万円)、19〜22歳の特定扶養は63万円。16歳未満は対象外
- 配偶者控除・配偶者特別控除は本人と配偶者の所得で変動する。いわゆる年収の壁に関わる
- 控除額は税制改正で変わるため、正確な金額は年末調整や税務署で確認を
よくある質問
- Q. 共働きの場合、子どもはどちらの扶養に入れますか?
- A. どちらか一方の扶養として申告します。一般的には所得の多い方に入れた方が節税になることが多いですが、状況によります。
- Q. 16歳未満の子どもには何のメリットもないのですか?
- A. 扶養控除の対象外ですが、児童手当の支給対象になります。また住民税の非課税判定などには影響することがあります。
- Q. 年収の壁を超えると必ず損をしますか?
- A. 一時的に手取りが伸び悩むことはありますが、働く時間を増やせば総収入は増えることが多いです。個々の状況で異なるため、勤務先などにご相談ください。