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額面と手取りはなぜ違う?給与から引かれるお金の正体

給与明細を見て「あれ、振り込まれた金額が思っていたより少ない」と感じたことはありませんか。求人票や雇用契約で示される金額と、実際に手元に届く金額には差があります。この差を理解しておくと、家計の見通しが立てやすくなり、転職や昇給の判断もしやすくなります。この記事では、額面と手取りがなぜ違うのか、その仕組みをやさしく整理します。

額面(総支給額)とは何か

額面とは、基本給に各種手当(残業手当、通勤手当、住宅手当など)を加えた「総支給額」のことです。求人票で「月給25万円」と書かれている場合、この25万円が額面にあたるのが一般的です。

ところが、この総支給額がそのまま銀行口座に振り込まれるわけではありません。給与からは、法律で定められた社会保険料や税金が天引き(源泉徴収)されます。この天引き後に残った金額が「手取り」です。給与明細では「差引支給額」などと表記されていることが多いでしょう。

額面から引かれる主な4つのお金

額面から差し引かれるものは、大きく分けて次の4種類です。

ひとつ目は社会保険料です。健康保険、厚生年金、雇用保険などが含まれ、40歳以上になると介護保険料も加わります。これらは会社と従業員が分担して負担する仕組みになっています。社会保険料の詳しい内訳は、別記事『社会保険料の基本』で解説しています。

ふたつ目は所得税です。その年の所得に応じてかかる国の税金で、毎月の給与からは概算額が天引きされ、年末に「年末調整」で精算されます。

3つ目は住民税です。お住まいの自治体に納める税金で、前年の所得をもとに計算されます。新入社員の1年目は天引きされず、2年目から引かれ始める点が特徴です。

4つ目は、企業によっては財形貯蓄や社宅費、組合費などが控除されることもあります。これらは法律上の天引きではなく、会社の制度によるものです。

手取りはおおむね額面の75〜85%が目安

では、手取りは額面のどのくらいになるのでしょうか。一般的には、額面のおおよそ75〜85%程度になることが多いといわれています。たとえば額面30万円なら、手取りは23万円前後になるイメージです。

ただし、この割合はあくまで目安です。年収帯が上がるほど所得税の税率が高くなる傾向があり、手取りの割合は下がりやすくなります。逆に扶養している家族が多い場合は各種控除が増え、手取りの割合が上がることもあります。年齢(介護保険の有無)やお住まいの自治体によっても変わるため、正確な金額は給与明細で確認するのが確実です。

なぜ天引きという仕組みなのか

税金や社会保険料をいちいち自分で納付するのは手間がかかります。そこで、会社が給与を支払う時点であらかじめ差し引いて、本人に代わって納める仕組みが採られています。これを源泉徴収といいます。納め忘れを防ぎ、国や自治体にとっても徴収が安定するという利点があります。

まとめ

よくある質問

Q. 通勤手当も税金や社会保険料の対象になりますか?
A. 通勤手当は一定額まで所得税が非課税になります。ただし社会保険料の計算では通勤手当も含めて算定される点に注意が必要です。詳細は勤務先や給与明細でご確認ください。
Q. ボーナスの手取り割合は月給と同じですか?
A. ボーナスからも社会保険料と所得税は引かれますが、計算方法が月給と異なるため割合は前後します。住民税はボーナスからは引かれないのが一般的です。
Q. 手取りを正確に知りたいときはどうすればよいですか?
A. 最終的な金額は給与明細を見るのが最も確実です。概算を知りたい場合は手取り計算ツールなどを目安として活用するとよいでしょう。